学校の王子様と恋愛リセット!?



「あぁ、あれ。別にそんなことしなくてもいいのに。」


『でも、私は本当に助かったの!本当にあの時は、ありがとう!!』


私は精一杯の笑顔を彼に向けた。


リュウ君はバックを持ってない手で口を覆い、私と逆の方へ顔を向けて、


「うん・・・。」 


と、私しか聞こえないような声で小さくはいた。


向こうを向いてしまっているせいで、リュウ君の頭しか見えない。


?私何かまずい事でも言っちゃったかなぁ・・・?


『どうしたの?私何か言っちゃったかなぁ?』


「いや、なんでもない!」


『そう・・?でね、そのお礼に・・・。』


私はバックの中をあさって"例のもの"を恐る恐る取り出した。


それは、ピンクのリボンで結ばれていてる。


中のものが割れていないことを確認して、リュウ君の前に出した。


「?クッキー?」


『うん。何か恩返しがしたいなぁ・・・。って思ったの。』


私は彼の顔が見れなかった。


嫌な顔してるかもしれない、あつかましいと思われるかもしれない。


どうしても悪い方にしか考えれなくなるのはやっぱり"あの時"からかな。


『あっ、でも好きじゃなかったり、アレルギーだったりしたら別に・・いいよ。』


断られた時の言い訳を作って、自分を納得させる。


自然に目線が下がる。


上げたくても、彼の顔を見るのが怖い。


私分かったことがある。


人間って目線と心が比例してるみたい・・・。


私は手に持っているクッキーをゆっくり自分の方へ戻していく。
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