学校の王子様と恋愛リセット!?



放課後ナツと途中まで一緒に帰り、1人で道を歩いてると聞き覚えのある声が鼓膜を揺らした。


薄々感づいていた人物を頭で思い浮かべ、振り返る。


予想していた人物の他にもう1人いた。


「セーラ1人で帰っているのか?」


『コウ君とロー君。うん。途中までナツと帰ってたんだけどね。』


「そうか。」


ロー君は黙ったまま私達2人の会話を聞いている。


そのまま流れで一緒に駅まで行く事になった。


話のネタはやっぱりテストの事になってしまうのは仕方ないだろう・・・。


『あーあー、もう少しでテストだ~~・・・。』


「そんなにテストが嫌なのか?」


ロー君が珍しく口を開いた。


『暗記は覚えたらなんとかなるけど、応用とかが苦手なんだ。嫌いな教科は全然手に付かないし、集中力が切れちゃう。』


好きな教科になら結構集中できるんだけどな。


するとそれを聞いていたコウ君が私に提案を持ちかけてきた。


「オレでいいなら教えてやろうか?」


『へ?』


今なんと?


「・・・・・。」


ロー君はコウ君の発言に興味を持ったのか、無言のまま意味ありげに口角を上げて笑った。

< 88 / 120 >

この作品をシェア

pagetop