推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
━━Ⅱ━━
「後は僕が説明します、桜庭さん」
いち早く立ち上がった秋が、崩れ落ちる真紀子の脇に手を入れて支えながら引き継いだ。
「拳の端から紙がはみ出てるのを最初に見つけたのは、僕なんだ。でも、どうやっても開かなくてね。まるで、死んでなお拒んでるみたいに。それで『桜庭さん』って名前を呼んだんだ。その瞬間だったよ。魔法みたいに硬直がとけて、指が開いたんだ」
再現するかのように、秋は握った拳をゆっくりと開いてみせた。
「メモ紙を見た桜庭さんに話を聞いたとき、確信したよ。これは僕たちでも警察でもなく、匠くんに託したものだったんだって。文字通り、命懸けで」