推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
――これで文句ない、よね?
どこへともなく問いかけ、匠はずっと逸らしていたメモ紙をしっかりと見た。
死と向き合うことに多少怯んだが、脱兎する心を「決意」が捕まえ、捻じ伏せてくれた。
――これってタイムリミットってやつだよね、警察がくるまでの。お姉ちゃんの出す問題は難しいのに、時間まで決まってるなんて……。ボクのほうがほっぺた挟みたいよ。
はは、と匠は少しだけ笑った。
さっきまで虚ろだった人間が急に笑い出し、異様な光景に思えたのだろう。
後ろから「ぼ、坊主」と宗の野太い声がした。
周りからも「匠くん」と心配の声があがる。