推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
推理自慢が一堂に会しているはずなのに、この程度のことも見抜けないとは。
匠は先が思いやられ、長嘆息をついた。
「お子ちゃまな探偵ごっこのアニメと本物の事件は次元が違うんだぞ、お母様」
いちいち口を挟むなよと、匠は心で毒づく。
「ていうか、おじさんもビール能天気に飲んでたじゃん」
「甘いな坊主。俺は別に死ぬことなんざ、怖かない。好きな酒飲んで死ねるんなら万々歳だ。俺の血はアルコールなんでな」
わはは、と磊落に笑う宗。
この手の登場人物は、ドラマやアニメでは大体適当に立ち回り、最後までしぶとく生き残るタイプだと、匠は放っておくことにした。