推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
秋が立ち上がり、ポケットからデジタルカメラを出しながら匠に説明する。
「死因を確認したり、ダイイング・メッセージを抜き取ったりすると、現場を少々荒らしてしまうからね。発見当時のままの写真を、浮夫さんと桜庭さんも立ち会って、事前に収めていたんだよ」
「なるほどね。さすがミステリー作家」
「どうぞ」
真紀子は、秋からカメラを受け取る。
しかし、確認した写真には死体の一部が当然写りこんでいるらしかった。
結局、どれも子どもの精神衛生上よくないと判断され、口頭で状況が伝えられる。
「えっと……。佐伯さんはうつ伏せで倒れてて、腹部に刺創……つまり刺し傷があって、背中や手足や髪には油がべっとりついてた」