推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
「ほ、ほら。片方はメモ紙を握ってるわけで。もし犯人が戻ってきて見つかれば取られちゃうかもって思って、時間稼ぎとして、どっちに握り込んでるか分からなくするために……」
「それは多分ないですね」
真っ先に否定したのは秋だった。
「僕が手を確認したときに、はみ出してましたから。必死に隠そうとしたなら、はみ出ないように握り込むはずですしね」
「そう、ですか……」
香苗の推理は容易く却下された。
会心の閃きだったのだろう、彼女は憤慨気味にココアに口をつけた。