推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
本来、秋直々に招待されたのは真紀子だったのだが、実のところ、乗り気なのは匠のほうだった。
母親が描いた秋原作の漫画を読んでからこっち、貪るようにその手の児童書やドラマなどを見るようになった彼にとって、今日のイベントは願ってもない至福のときなのである。
「早く始まらないかなあ」
「まだお昼の3時よ。イベントは6時からだから、あとたっぷり3時間は待つことになるわよ」
「ええっ!?そんなの詐欺だあ!」
匠が絶望を詰めこんで叫んでいると背後で玄関が開き、夏の蒸し暑い風を連れてふたりの女性が入ってきた。