推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】


「ようこそ、田中様、佐伯様」


振り返った浮夫が、入ってきたふたりの女性に頭を下げた。


田中と呼ばれた女性は、いかにもよそ行きという印象の薄ピンクのカーディガンをまとった、30代後半の主婦のような雰囲気。


(またまた田中……)


これだけ重なると、田中家の親戚が集まってるのかと勘違いしてしまう。


一方の佐伯と呼ばれた女性は、爽やかな淡い青色のワンピース姿で、隅っこで黒髪を弄る彼女と同年代に見えた。


彼女は大きめのサングラスをかけていたが、それを取った刹那、匠はその正体に気がついた。



「佐伯姫子(さえきひめこ)だ!!」

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