推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
「僕は……午後10時過ぎに匠くんの部屋から出てきた佐伯さんに声をかけて、午後10時30分頃に部屋へ招きました」
「ほぉ。そりゃまた、看過できん発言が飛び出したもんだなあ」
一体、なんの目的で呼ばれたのだろうか。
久しぶりの再会を、ふたりで密かに祝っていた――とか?
「べ、別にやましい意味ではないですよ。彼女が匠くんの付き添いを申し出て企画に参加できなかったから、よければ客室でドラマを見られるようにと、DVDを渡しただけです。調べてもらえれば、彼女が持ってるはずです」
「そうか。なら、奥さんと若造の証言は後で裏を取る、と」
宗はいつの間にか黒い手帳を取り出し、それぞれのアリバイをメモしていた。