推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
「暗号の類かもしれないですよ。古典的なものだと、『たぬき』と文中にあれば、タを抜いて読むとか。もしくは、ケータイの番号を使った暗号、キーボードの文字配置を使った暗号もありますよ。まあ、この手の暗号はありきたりすぎて、今じゃそこに捻りを入れて使わなきゃ失笑ものですが……」
笑って肩をすくめると、浮夫が「それなら」と補足する。
「ぼくも知ってますよ!『マル』を裏返して縦にして読むと『ムラ』になるとか。あとは、文字に鏡を当てて反転したのとくっつけて読むとか」
何かと張り合いたがる香苗も当然、これに黙っていられないのだろう。
間髪入れずに参戦、いや、乱入した。
「平仮名やアルファベットを、1文字とか2文字ずらして書いた文章が暗号になることもありますよね。物を握ってるタイプも。指揮棒を握ってるから指揮者が疑われるけど、実は『タクト』って名前の人が犯人とか」