推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
「きゃあっ!本物だあ。凄い凄い!」
隣で興奮をまき散らしている姫子も、例に漏れず。
秋の推理小説に興味はあっても、本人自体を崇拝するほどではなかった匠には、いまいちピンとはこなかったが。
「お久しぶりです、先生。授賞式以来ですかね。その節はお世話になりました」
階段をおりてきた秋が、宗に声をかける。
だが、宗は秋と視線を合わせず、寝癖風の頭をかきながら「そんなことより」と面倒くさそうな口調を投げた。
「いいワインは用意してるんだろうな?俺はそれを飲みにきただけだ。若造の謎解きゲームなんかに興味はないんでな」