推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
「あ、当たり前だ!Bは解けてる。漢字になるんだろう?『エはし』、『にがイ』、っていうのを『エはシ』、『ニがイ』って変換して、片仮名同士をくっつけると」
言いながら、干支が書かれたメモ紙を裏返して『江』、『仁』という漢字を書いた。
「こうだ。だから『モ』は、合体したら『毛』になる『い』が正解だ」
どうやら、田中宗という人物は頻繁に記憶喪失になる特殊体質か、もしくは単純に間が抜けているのではないだろうか。
匠は、本当にこのような者が複雑な構成を必要とする推理小説を書いているのか、甚だ疑問だった。
そんな思いなどいざ知らず、宗は「毛」と雑に書いてペンを放り投げる。