推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
秋のほうからパチンと乾いた音がした。
合点がいって、太ももを手のひらで叩いたらしい。
「推理小説を書いてる僕にも考えつかなかったな……。通常、ミステリーだと被害者の皮膚片が見つかる場合、『手のひらは開かれたまま』だから。希に、爪が切られている場合はあるけど……」
「そっ。お姉ちゃんは多分、この爪に残ったものを証拠にできるって思ったんだよ。けど、爪を切られたらヤバい。もしかしたら、爪を切るどころか……」
先ほど払拭したはずの「気持ちの悪い」イメージが蘇ってくる。
「指を切り取ってどこかに捨てられるかもしれない――そう思ったのかも、ね……」