推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
「だが坊主。よしんば切断できたとして、その手首の処理はどうするつもりなんだ?そこらに隠しても、捜索されりゃあ――」
「ここは山の中だよ?捨てようと思えばどこにでも、だよ」
口に出してみて、改めて「雨の中、山中に埋めようと手首を持って歩く犯人」という、おぞましいイメージが浮かぶ。
匠はごまかすように冷めたラテを一気に飲み干し、泡のついた唇を手で拭った。
おかげで、苦い映像が甘さで多少薄らいでいく。
「両手を握りしめてたのが、まさかそんな理由だったなんて……」
長く息を吐きながら、真紀子は独り言のようにつぶやいた。