推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
「だけど、匠くん……。動機は一体なんだっていうんだろう?」
浮夫の疑問も、すでに解明済みだった。
「お姉ちゃんが、この人に『あなたは秋さんの作品のどれが好き?』って質問したとき、めっちゃビックリしてたんだ。そのときは、しつこいからだろうなあって思ってたけど、違ったんだ。『秋さん』って言ったからだったんだよ」
「名前で呼ぶって……そんなに親しい仲だったんですか?」
秋に視線を移す香苗に、匠が「そこだよ」と指摘する。
「この人も勘違いしたんだよ!本当は、番組で一緒になったとき、田中って人が他にもいたから、分かりやすく名前で呼んでって話になっただけなのにね」