推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
「……じゃ、じゃあアタシ……なんのために……」
「そうだよ。お姉ちゃんを殺さなくってもよかった。殺さな、くて……」
自分の胸ぐらを掴むように、匠はシャツごと握りしめた。
勝手に仲がいいと思い込み、たったそれだけのことで田中は人を刺し殺め、挙句の果てに証拠隠滅として切り刻もうとしていたのだ。
軽はずみにも程がある。
「勘違いによる発作的な殺人、やるせないな……」
煙を吐き出し、宗は短くなった煙草を、脇に置いていた灰皿ですり潰した。