推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
鑑識や捜査員が行き交うエントランスで、宗が隣で現場を見上げる匠の背中を叩きながら笑った。
まだ少し、アルコールが残っているようだ。
「全くです。僕の企画より数倍難しかった謎を、こんな小さな子が解き明かすんですから。末恐ろしいです」
匠を挟んで立っている秋は、ため息交じりにつぶやいた。
「推理小説家の面目丸潰れってやつだな。こりゃあ愉快だ」
「先生も他人事じゃないですよ。僕と同じ推理小説家でいらっしゃるんですから……」