推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】


「う、うるせえな。俺は最初から怪しいと思ってたんだよ。あの美女が」


「嘘だってバレバレだよ、おじさん」


見上げて匠が指摘すると、宗は「嘘じゃない!」とムキになって主張した。


武骨な手が降ってきて、乱暴に頭をかき回す。


「だったら、何が怪しかったの?」


「それは……ふ、雰囲気だ!犯人には特徴的な暗い雰囲気があるんだ」


「雰囲気ねえ……。やっぱりおじさん鈍いよ。『アレ』に気づいてないなんて」


意味ありげに、口の端を吊り上げてみせる。

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