推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
カップから立ちのぼる湯気は、洋館におあつらえ向きの香りがした。
といっても、匠自身はラテの味が分かる年頃ではなく、そばに置いてあるのは、既に空になっているオレンジジュースなのだが。
「ううん……それにしても……」
匠はあるメモ紙を凝視していた。
客室全室の机に置かれている、ペン立てのついた切り取り式の分厚いメモ帳の一枚だ。
「難しいでしょう?」
得意げな姫子が癪に障るも、認めざるを得ない。
メモ紙に書かれているのは、彼女が自作したというあるクイズだった。