推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
━━Ⅱ━━
「ごめんね、お姉ちゃん。重くない?」
真紀子が客室から去り、しばらく問題に頭を抱えていた匠は、またしてもトイレに行きたくなり、姫子に支えられながら部屋を出た。
本来は客室自体に備え付けてあるのだが、運悪く匠の部屋のものは水の出があまりよくないようで、移動を余儀なくされていた。
「軽い軽い。だいたい、そんなに遠くないしね。同じ2階だし」
田中邸は、大階段をのぼって右手に秋の書斎や客室が配置されていて、トイレはその反対側、左手奥にある。
階段をおりることなく行けるのは、怪我をした匠にとっては好都合だった。