推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】


━━Ⅱ━━


「ごめんね、お姉ちゃん。重くない?」


真紀子が客室から去り、しばらく問題に頭を抱えていた匠は、またしてもトイレに行きたくなり、姫子に支えられながら部屋を出た。


本来は客室自体に備え付けてあるのだが、運悪く匠の部屋のものは水の出があまりよくないようで、移動を余儀なくされていた。


「軽い軽い。だいたい、そんなに遠くないしね。同じ2階だし」


田中邸は、大階段をのぼって右手に秋の書斎や客室が配置されていて、トイレはその反対側、左手奥にある。


階段をおりることなく行けるのは、怪我をした匠にとっては好都合だった。

< 51 / 258 >

この作品をシェア

pagetop