推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】


「美女がふたり、絶景かな」


出てきたのは、秋の先輩作家である田中宗だった。


寝癖風の頭をぼりぼりとかきながら、向かい合う姫子と田中を品定めするかのように舐めまわしている。


「美女だなんて、そんなことないですよ~」


芸能界でもこの手の男が多いのだろうか、姫子は慣れた口調で宗をかわす。


だが慣れていない様子の田中は、さらに増えた登場人物に動揺したのか、


「し、し……失礼します……っ!」


言葉を置くや否や、小走りで自分の客室へと入っていった。

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