推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
ふたりは今日、この邸宅の主である、現在32歳の男性推理小説家・田中秋(たなかあき)の招待を受けて訪れていた。
真紀子は、元漫画家。
かつて秋のミステリーが原作の読み切りを描いた経験もあり、それをきっかけに親交を深めていたらしい。
「大丈夫だって!もう3年生なんだから、前みたいに転んだりしないよ」
「だといいけど……」
「言っとくけど、ボクが謎を解くんだから。今日だけは、お母さんもライバルなんだからね!忘れないでよ?」
「はいはい……解けるものならね」
いなされた匠が、胡桃を頬張るリスのようにしていると、玄関のドアが開かれた。