推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】



――何があったんだろう……。



不安を募らせるかのように、雷が低く唸る。


風も強まっていて、吹きつけるたびに窓ガラスを激しく揺さぶる。


『さ……さえ……っ!!』


一瞬、真紀子の叫び声がした(正確には、叫びかけてやめたという印象だった)。


『誰が……こんなこと……』


黒髪の田中が震える声でつぶやいている。


『ワ……ワタシがきたときには……もう……』


主婦風の香苗が、半分泣き声気味に言った。


ドスンと物音がしたのは、彼女が床にへたり込んだからだろうか。

< 71 / 258 >

この作品をシェア

pagetop