推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
ここでやっと、熊のような田中が匠の存在に気づいた。
視線を感じ取ったのか、真紀子が「息子の」と紹介した。
「匠です。この春に、小学3年生になりました」
「へえ!こんなに大きなお子さんが。こんにちは」
前かがみで満面の笑顔を湛える田中に、
「こんにちは。おじさんも田中さんなんだね?『うちの先生』ってことは、編集者の人?作家の田中秋とは親戚か何かなの?年の差がすごいから、兄弟じゃなさそうだけど」
開口一番、立て続けに質問をぶつけた。
生来、匠は疑問に思ったことを解決せず後回しにすることのできない性格なのだ。