推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】
「……と、とにかく。警察がくるまではここで固まってるのが一番だと思いますので、ご辛抱ください」
秋が頭を下げると、宗は諸手をあげた。
「大賛成だ。ここには美女という名の『酒のつまみ』もあることだしなあ。お酌してくれるか?」
指名された黒髪の田中は、伸ばしていたカーディガンの袖口を口もとに当て、噛むようにして首を小さく横に振った。
あるいは、ただ震えているだけかもしれない。
「皆さんも、いいですね?」
秋が見渡すと、それぞれが「はい」や「ええ」と同意を示す。
しかし、匠だけは問いかけを無視して、虚ろに息をしているだけだった。