狼少女






「…奏…」




「へ?…白井??」






…チュッ…




…あれ?




私…今何した?!




「ぅわぁああっ!!~っ!ごめんなさい!!」



「?!白井どっどうしたの!~っ!?」








自分でもびっくりした…

私…尚君にキスしてた。



泣きながら…



私、最低だ…尚君と奏を重ねるなんて。




尚君は口を開けてぽかんとして、手から傘を離した。





そして、一瞬悲しそうな顔をした。


当たり前だよね…



勝手にキスして、尚君をきっと傷つけた。


私達はびしょ濡れだになった。




「…最低だ、私…」


「白井?」





ごめん。尚君。


あなたは一匹狼の私にこんなに優しくしてくれるのに。






「もう…私に話しかけないで…」



「え…白井っ!!?」






私は…誰かを…あなたを信じる事が怖い。








雨の中を泣きながらひたすら走った。






…天気は雨。土砂降りのひだった。

















< 17 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop