狼少女
「……」
私は何ていったらいいか、どうすればいいか分からなかった。
私は分からないようにちらっと尚君を見てみた。
「…泣いてるの?」
泣いてる音は聞こえないし、顔は私の背中にくっついていてよく分からない。
でも…体が震えていて、そんな感じがしたんだ…
すると、抱きしめる強さが一瞬だけ強まって、尚君はすぐ私の体から離れた。
「いや~♪もらい泣きってやつ?急に抱きついてごめんな?」
そう言って私に見せた顔はいつもの笑顔だった。
「…じゃあ、俺用事あったら走って学校いくわ!!」
軽く手をふり、笑顔で走って言った尚君の目は少し赤くなっていた…