君色の風

始まりは今


「ん~と、忘れ物はしてないよね。多分…」


カバンの中を確認し、階段を降りて玄関へと向かう。


「いってくんね」


「気を付けてね」




俺の名前は横川亜樹。


今年から華の高校生になったんだ。


でも、入学してからまだ1週間しか経ってないけど、高校って思ってたのと違ってる。


中学のときの友達と会いたいな。


なんて、まだ中学を卒業してから1ヶ月くらいしか経ってないのに思ってしまう。




「もうみんなはどの部活に入るかとか決めたか?」


眼鏡をかけた少しポッチャリしている担任の先生が帰りのホームルームで話をしている。



部活か…。なんかには入りたいよな。


「なー、亜樹。部活何にするか決めた?」


俺に話しかけてきたのは席が前の早山渉だ。


入学して席が前後だったことで仲良くなって、今では一番の仲良しだ。


この学校へは中学のときの友達は1人も入学していない。


地元から遠いっていうのもある。


「いや、まだ決めてない。でも、中学のときは陸上部だったから陸上部にしようかなって思ってるんだけどね」


「陸部にすんの?それなら俺も陸部にしようって思ってたからちょうどいいや。練習見に行ってみようぜ」


「そうだな」




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