未来へ
そんな私にも好きな人がいた。

同じクラスの藤堂修哉君。

桜井浩人のようなイケメンではないが、1年でありながらサッカー部でレギュラーの座につくスポーツ少年で、普段は無口であまり話すことはないが、ふとした笑顔はクールな彼のイメージとは違って少年らしさを残したさわやかなものだったため、私はその笑顔をみるたびにドキドキしていた。

同じクラスになってからすでに3ヶ月がたつが、ほとんど話す機会はなく、ただ彼の方を眺めてはため息をつく毎日が続いている。

話しかける勇気もなく、たまにしか見せない彼の笑顔を見るだけで十分だった。
< 17 / 115 >

この作品をシェア

pagetop