未来へ
そんなことを考えながら紗英と二人で特別教室に入り席に着く。

この教室に入った途端にこの前の記憶がよみがえり、顔が火照ったのが自分でもわかった。

「どしたの?柚菜。顔赤いよ。熱でもある?それとも藤堂のことでも考えてた?」

何も知らない紗英が言う。

「ちがうよ。なんでもないのっ。気にしないで。」

ちょうどそのとき授業開始のチャイムが鳴った。
紗英は「ま、いっか。」とつぶやき自分の席に着いた。

しばらくして中年の男の先生が入ってきて授業が始まったが、私は授業中もうわの空で内容なんて何も頭に入ってこなかった。
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