未来へ

接近

しばらくは何事もなく過ぎた。

時々、廊下で桜井先輩の姿を見かけることはあったけど、何かを話すわけでもなく1ヶ月が過ぎた。

あの時の記憶も薄れかけていた。

もうすぐ夏休み。

何を思ったか私は突然、放課後の教室で藤堂君に告白した。

「あのっ、好きなんだけど・・・・・・。」

藤堂君は一瞬びっくりした顔でこちらを振り向いた。

「あ、ゴメン。オレ、正直言ってまだつきあうとかわかんねえし、今は誰かとつきあうとか考えられない。だけど、・・・・・ありがとう。」

「そっか・・・・。なんか急にごめんね・・・・。」

初めての告白は見事玉砕。

私は涙をこらえ家に帰った。

明日から夏休み。
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