未来へ
さらに桜井先輩が私を引き留める。

「オレ、もうバイト終わるし自転車で送ってくよ。」

「いえ、いいです。そんなことしてもらう筋合いもないですし。」

「そんな冷たいこと言わないでよ。こないだのことバラしちゃうよ。」

バラすって、それは困る。いくら振られたって藤堂君にでも知られたら・・・・。

・・・・・振られたんだったなぁ・・・・・・・・。

つい最近の教室の風景を思い出す。

何も言わずに固まっていると、先輩は「ちょっと待ってて。」と言って店の奥に入って行った。
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