未来へ
成り行きとはいえ、好きでもない人と寝てしまった。

藤堂君に振られてどうでもよくなってしまっていたのかも。

「おまえ、初めてだったんだな・・・・・。抵抗しないからてっきり・・・・・。」

「自分でもどうしてなんだかわかんないんです・・・・。でも、なんか先輩なら慣れてそうだし・・・・・いいかなって思って・・・・。」

振られて傷ついていたときに先輩に優しくされて、その優しさに甘えていただけなのかな?

でも・・・・・・いやじゃなかった・・・・。

「実は私、この前振られちゃったんです。」

「ふーん。」

「まあ、先輩には関係ない事ですけどね。初めて告白して、振られて、でも、自分の気持ちを伝えられてスッキリした部分もあるんです。まだ・・・・つらいけど。」

私は涙をこらえて話した。

「こんな話してすいません。ほんと、関係ないですよね。」

私は無理に笑顔を作った。

先輩はそんな私を抱き寄せ軽くキスしてくれた。

「泣いていいぞ。悲しい時は我慢しない方がいい。」

先輩の優しさに私は甘えた。

とめどなく流れる涙。
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