未来へ
第2章
目撃
2学期も始まり、私は普通どおりの生活に戻っていた。
藤堂君を見ると少し胸が痛んだけど、最近では告白前よりも話をする機会が増えている。
桜井先輩に会うことはなかった。
同じ学校にいるのに、前のようにすれ違うこともない。
相変わらず先輩の噂は途切れることはなく、何年の誰が告白しただとか、誰と別れただとか、そんな話が飛び交っていた。
私の耳にもたくさんの噂が入ってくるが、どれも曖昧に聞き流した。
「ちょっと、柚菜!」
休み時間に興奮した様子の紗英が駆け寄ってくる。
「夏休みに桜井先輩と柚菜が自転車に二人乗りしてたっていう話しホント!?」
「誰から聞いたの?」
「3組の子が見たって言ってたよ。柚菜、桜井先輩のことなんてなんとも思ってない感じだったのに、いつからそんなに仲良くなったの?」
「あれは、たまたまだよ。そんなに仲良くないし。靴擦れして歩けなくなったから送ってもらっただけだよ。」
「普通、仲良くなかったらそんなことしてくれないんじゃない?」
「そうかもしれないけど、実際そんなに仲良くないんだから仕方ないよ。」
「なんか、隠してそうだけど・・・・ま、いっか、だまされてあげよう!でも、悩んでるんだったらちゃんと相談するんだよ。」
紗英はもっと聞きたそうなのをこらえてあきらめてくれた。
藤堂君を見ると少し胸が痛んだけど、最近では告白前よりも話をする機会が増えている。
桜井先輩に会うことはなかった。
同じ学校にいるのに、前のようにすれ違うこともない。
相変わらず先輩の噂は途切れることはなく、何年の誰が告白しただとか、誰と別れただとか、そんな話が飛び交っていた。
私の耳にもたくさんの噂が入ってくるが、どれも曖昧に聞き流した。
「ちょっと、柚菜!」
休み時間に興奮した様子の紗英が駆け寄ってくる。
「夏休みに桜井先輩と柚菜が自転車に二人乗りしてたっていう話しホント!?」
「誰から聞いたの?」
「3組の子が見たって言ってたよ。柚菜、桜井先輩のことなんてなんとも思ってない感じだったのに、いつからそんなに仲良くなったの?」
「あれは、たまたまだよ。そんなに仲良くないし。靴擦れして歩けなくなったから送ってもらっただけだよ。」
「普通、仲良くなかったらそんなことしてくれないんじゃない?」
「そうかもしれないけど、実際そんなに仲良くないんだから仕方ないよ。」
「なんか、隠してそうだけど・・・・ま、いっか、だまされてあげよう!でも、悩んでるんだったらちゃんと相談するんだよ。」
紗英はもっと聞きたそうなのをこらえてあきらめてくれた。