未来へ
放課後、私は掃除当番でジャンケンに負けて、外にある焼却炉までゴミを捨てに来ていた。

焼却炉は学校の裏側にあり、一年の教室からは少し遠く、一番の近道は非常口から出て中庭を横切る形になる。

私も例にたがわず中庭をゴミ箱をひきずりながら歩いていた。

HRが少し長引いたせいか他のクラスの掃除は終わっているらしく、周りには誰もいなかった。

この中庭からは、あの特別教室棟が見える。

そんなことを思いながら特別教室棟に目をやると、人影が見えた。

桜井先輩・・・・・?

逆光で顔は見えなかったけど、背の高さや髪のシルエットなどが先輩のような気がした。

その人は窓枠に肘をついてこっちを見ていたが、誰かが来たため窓辺からいなくなった。

私はなんとなく気になり、そっちの方に近づいて窓から教室の中をのぞいてみた。

そこには、ショートカットのすらっとした女子生徒とキスをする桜井先輩がいた。
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