未来へ
観覧車からは私たちの住む町が一望できる。

「あ、あれ学校じゃない?すごいねー。こんなに遠くなのにちゃんと見えるんだ。私の家も見えるかなあ?」

はしゃいでキョロキョロと周りを見渡す私を修哉は優しい眼差しでみつめる。

「夕日がきれいだね!晴れててよかった!」

二人きりの狭い空間に少し緊張して、私はいつもよりおしゃべりになっていた。

観覧車はゆっくりと頂上まであがった時、修哉は私にやさしくキスをした。

桜井先輩のとは違う触れるだけのキス。

修哉の唇は少し乾燥してザラザラした感じがした。
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