ビューティーboys☆

歩くこと15分。


優は「ヘアサロン Sakai」と称された店の前で足を止めた。


「ここ、僕ん家なんだ」


優がドアに手をかけ引くと、鈴が音を立てた。


その音に反応したのか、奥から一匹のダックスフンドが吠えながら突進してくる。


優だと分かると吠えるのを止め、尻尾をちぎれるのではないかと思うほど回しながら優にすり寄った。


「ただいま、レオ」


愛犬の頭を撫でると、横並びになっている八個の椅子の一番端に通学カバンを置いた。


「鏡夜くんのもかして」


心からカバンを受け取ると、同じところに置いた。


「今日はお店やってないの？」


「うん。毎週月曜日は休業日」


そういえば【Close】と書いた札がかかっていたような気かする。