ビューティーboys☆
放課後。


心は愁に言われ、学校指定の赤ジャージの姿で、第二運動場を訪れた。


第二といっても学校を設立する際に、余った敷地を運動場にしとけーみたいな感じで作られただけだ。


第一が一周八百メートルに比べ、第二は二百メートルしかない。


なので、ここで部活動は行われておらず、休み時間に遊びで使われる程度だ。


放課後は貸し切り状態。





トレーニングはここでするのかー





心は砂利を蹴飛ばした。


「よーし、鏡夜!今日はばっちりトレーニングするからな!!」


私物であろう、黒ジャージを身に纏った愁が、バケツを持って現れた。


「よろしく。そのバケツは何に使うの?」


「おぉ!これはなぁー、草と石を入れるんだ」


「草と石?」


「あぁ!今日はここを使えるように綺麗にすんぞ!」





漫画によくある廃部寸前の野球部じゃないんだから・・・


心は肩を落とした。


そんな心もお構いなしに、愁はバケツを置いた。


バケツがガチャンと音を立てる。


「ただ、普通に取ったら駄目だからな!こうやんだよ」


愁は手本を見せた。


中腰になり、その体勢のまま雑草を抜く。


石を取るときは少し深く。


「あんまり下げすぎると体に悪いから、ほどほどにな!」


草抜きを始めて十五分。


思っていたよりも苦しい。


心の足がふらつき始めた。


「うっし!じゃぁ、1回休憩だな」


頃合いを見計らって、愁が声を掛けた。















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