ビューティーboys☆
長いことはもたない
愁自身が一番よく分かっていた。
麗だけでも上げようと左腕に渾身の力も込める。
「愁!離していいよ。落ちても多分、木が衝撃を受けてくれるから」
確かに
普通に落ちるよりは幾分かマシかもしれない。
だが愁は麗を離す気など毛頭もなかった。
それに、落ちるなら麗よりも自分の方がいい。
人一倍美を愛し、人一倍美が似合う麗を傷つけるわけにはいかない。
そう思った愁は下に眼向けた。
愁は深呼吸すると、自分のもてる力を全て使い麗を屋上に投げ入れた。
予想外の出来事に麗は呆然としたが、すぐに屋上に縁へ駆け寄った。
バキバキ
ダァァアン
木の枝が折れる音と、人が地に叩きつけられる音がした。