ビューティーboys☆
心の出番。


チャーハンを作るなら、と麗の提案で中国服を着せられた。


胸の高鳴りを押さえようとするが、収まるどころか、かえって心拍数が上昇していく。


受験以上の緊張感に逃げ出したくなるが、そうはいかない。


ここで逃げたら男じゃない!(女だけど)


心は己に喝を入れ、頬を叩いた。


「さ、鏡夜くん。もうすぐだよ」


誘導役の優が心を呼んだ。


強張った表情の心から気持ちを察した優は、心の手を握った。


「ワインレッドってさ・・・」


心の髪を見つめながら、優は続けた。


「けっして、派手な色じゃない」





赤でもないし、紫でもない





中途半端な色だけど





それでも人に愛される





中途半端だからこそ、魅せるものがある





「派手なことをしたからって必ず勝つわけじゃない。料理に気持ちを込めて。そしたらきっと、皆に気持ちは届くよ」


澄んだ瞳が心の瞳を捉えた。


「うん。頑張る」


「行っといで」


優のおかげで落ち着きを取り戻せた心は、深く頷いた。





ワインレッドの髪を触りながら。







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