もしも金曜日、雨が降ったら僕は死にます。【超短編】
金曜日
僕には綺麗な教科書がある。
綺麗な体操服だって、上履きだってある。
靴の中に画鋲なんて物騒な物も入っていない。
しかし、僕はこの教室から存在を抹消されている。
高校でのイジメは、小中学校に比べて陰湿でずる賢く、証拠を一切残さない。
つまりは言葉や態度によるイジメである。
そして、教師の前では仲が良さそうに演技をするのだ。
僕はおとなしいせいか、昔からイジメの標的になりやすかった。
しかし、高2になった今、僕はこの現状に耐えられなくなってしまった。
身体的に傷付いている訳ではない。
具体的なイジメを受けている訳ではない。
しかし、僕は確実に傷付いている。
そんな本音を隠して、僕は何事も無かったように今日を過ごすのだ。
聞こえる罵倒も
聞こえないフリをして。