ナツメくんの人気者理論【完】
え…な、何?
私は、驚いて声も出てこなかった。
だ、だって…今…私ナツメくんに抱き締められてる…。
ドキドキと、心拍数があがっていくのを感じた。
『…ゴメン…やっぱり…オレ…ダメだわ』
私をギュッと抱き締めたまま、ナツメくんの切なそうな声が聞こえてきた。
『…ナツメくん?』
『オレさ、朝比奈さんをはじめて見たの…中学の時なんだけど…朝比奈さん知ってた?』
『…え?』
クスクスと私うナツメくん。
『やっぱ…知らなかったよね…あの時さ〜…オレまだかなり小さかったしな〜、朝比奈さんには小学生に間違われたし…』