ナツメくんの人気者理論【完】
はぁ…はぁ…疲れた…
さすがに部活終わりの全力疾走は、キツいな。
そう思いながらオレは、子猫がいた路地裏に入ろうとしたが…、
『よしよし…いい子だね』
どうやら先客がいたらしい。
後ろ姿しか見えないが、オレと同い年か少し年上の女の子だった。
肩ぐらいまでのセミロングの髪がサラサラとなびいている。
『そっか…あんたたちも大変なんだね〜でも、3匹いたら寂しくはないね』
…なんだ…あの子…猫と話してんのか?もしかして…変な人か…?
にゃーにゃー
『ふふ、本当にかわいいね…あんたたちは』
ドキッ
その瞬間、オレのほうを振り向いた女の子の笑顔に釘付けになっていた。