ナツメくんの人気者理論【完】


いとおしいような切ないようなそんな表情を浮かべる女の子に視線が外せなくなった。



ドキドキ



高鳴る心臓の音が聞こえる。




ふと、その女の子が顔をあげた。



やばっ…




そう思った時、女の子の視線はオレの姿をとらえる。




『…何やってるの?』





『いや…オレは…猫に餌をやろうと…』




オレは、焦りながらそう答えた。



『あぁ…あなたも?…それならそんなとこに立ってないでこっちにおいでよ』



ふっ、と自嘲気味な笑顔を浮かべて女の子はオレに手招きをする。



『あ、うん』



女の子に促され、オレは、おずおずと地面に腰をおろした。




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