ナツメくんの人気者理論【完】
『へぇ…朝比奈さんって…もとはそういう性格なんだ?』
ニヤニヤとした笑みを浮かべたナツメくんの姿が目に入った。
その不適な笑みに私は、冷や汗がながれる。
『…別に…か、関係ないじゃない…ナツメくんには…』
私は、慌てて口籠もる。
『ふ〜ん?男嫌いで有名な朝比奈さんがね…かわいいとこあんじゃん』
!!
『な、なんなのよ…人気者のナツメくんには、私の気持ちなんてわからないわよ!!ば〜か!』
私は、べぇ〜っ と、舌をだしてナツメくんを睨みながら走り去っていった。
『ぷっ…へんな女…』
後ろでナツメくんがそんなことを言っていたのもこの時の私は、まだ知らない。