ナツメくんの人気者理論【完】
ホームルームが終わると、私は、あわてて雅也に詰め寄った。
『雅也!転校ってどういうこと?今月末って、あと1週間もないじゃない!?』
『いや〜あはは』
雅也は、苦笑いを浮かべながら私を見た。
『お、おいおい、そんなに怒るなよ?薫…な?』
ナツメが隣から声をかけてきたが、今の私には届かない。
『ナツメは、黙っといて!ナツメだって、雅也から聞いてたわけ?転校のこと…』
『あ、あぁ…まぁな…』
私は、その言葉を聞いた瞬間、固まってしまった。
…どうして…私には言ってくれないの…?
怒りを通り越して悲しくなってきた。
ヤバい…今何かしゃべったら泣きそうだ。
私は、必死に涙をこらえながら顔を伏せた。