ナツメくんの人気者理論【完】
『里緒!待った?』
!!
後ろを振り向くと、爽やかな笑みを浮かべたナツメくんの姿があった。
今日もカッコいい!
『ううん!全然、大丈夫!』
思わず、顔が緩んでしまう私。
『よかった、じゃあ、行こっか?』
そう言って、私の手をさりげなく握りながらナツメくんは歩きだした。
『ナツメくん!切符…』
確かまだ、電車の切符を買っていないはずだ。
『大丈夫、ちゃんと買ったから』
ニコニコ顔のナツメくんに私の胸は高鳴りっぱなしだ。
『…ありがとう』
本当に私の彼氏には、勿体ないくらい優しくてカッコいいナツメくん。
『いえいえ』
ほら、私が小さい声で呟いた言葉もちゃんと聞いてくれている。
私は、にこっと微笑みながら、ナツメくんの手をギュッと握り締めた。