ナツメくんの人気者理論【完】
その後、電車で40分。
ようやく、水族館に到着した。
『ナツメくん、楽しみだね!』
久しぶりの水族館にワクワクを隠せない私は、満面の笑みをナツメくんに向けた。
『そうだな!………あのさ……里緒…』
そう言って急に口籠もるナツメくん。
どうしたんだろう?
私は、きょとんとした表情で首をかしげる。
『…今日の服…めちゃくちゃ…かわいい』
ドキン
照れたようにはにかむナツメくんに私は急激に顔が熱くなったのを感じた。
ナツメくん…か、かわいい!
『あ、ありがとう…』
私は、嬉しくてナツメくんににっこり微笑みながらそう言った。