ナツメくんの人気者理論【完】
私が訝しげな表情でじっと見つめていると…彩香さんは、ハッとしたように私を見た。
そして、にっこり微笑みながら、
『あっ、私は、綾人くんの元クラスメートの川崎彩香です、よろしくね里緒ちゃん』
そう言った。
『にしても…綾人くん、彼女作らないんじゃなかったの?…忘れられない人がいるとかなんとかで…』
『え?あ、あぁ…実はさ、その忘れられない人が里緒だったんだよ…高校で再会できてさ』
少し照れたように頭をかくナツメくんはかわいい。
『え……そ、そうだったんだ』
ナツメくんのその言葉を聞いた瞬間…、一瞬、彩香さんの顔が曇った。